意外に知らない?鳥居について

 

◆鳥居の意味

鳥居とは神社の入り口などにある門のようなもので、神様の世界と人間の世界を分ける境界と考えられています。鳥居は神社へ通じる門や、神社のシンボルといった役割のほか、神社の中に不浄なものが入ることを防ぐ結界としての役割もあるといわれています。

大きな神社には複数鳥居がある場合もあり、数え方は「1 基、2 基・・・」と数え、ひとつの参道に複数の鳥居がある場合は一般的には一番外側から「一 の鳥居、二の鳥居・・・・」と呼びます。

 

◆鳥居の由来

色々な説がありますがその一つが、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩屋にお隠れになってしまったとき、他の神々が「常世長鳴鳥(とこよながなきどり)」を鳴かせたという話があります。その「鳥が止まった木」「鳥が居た木」が語源という説です。語源に関していえば、「神様の使いである鳥がとまる場所だから」「人々が“通り入る”から」などといわれています。

 

◆鳥居の色

鳥居と言えば朱塗りの鳥居をイメージされる方も多いと思います。なぜ朱色がよく使われているのか?その理由には諸説あります。

・古来より朱色には魔除けの力があるとされていた

・生命力の象徴とも考えられていた(血の色を連想させることから)

・稲作に必要とされる陽光や温かさを運んでくる

・赤色の原料となる丹(水銀)は、木材の防腐剤としての役割も担っている

 

◆鳥居の種類

60種類もあるといわれていますが、いちばん古い形が神明(しんめい)鳥居、大社鳥居、次に明神鳥居と言われています。

 

神明系

天照大神を指す系統で地面から垂直に立てられていて、直線かつシンプルなデザイン

例)伊勢神宮の鳥居

伊勢神宮HPより

 

明神系

神全般を指す系統で柱に台石があり、装飾的かつ流線的なフォルムなもの。中央に「額束(がくつか)」などの社名が示されていることがよくあります。

例)伏見稲荷大社の大鳥居

 

◆鳥居をくぐるときの作法

鳥居を通る時一礼してからくぐる、また、参拝を終え境内を出る際も社殿の方に向き直って一礼するのが丁寧なくぐり方とされています。参道の真ん中は神様の通り道とされているので、真ん中は避けて歩きます。鳥居をくぐる際も真ん中は避け、正しい作法は、鳥居の左端を通る時には左足から、右端を通る時には右足から踏み出すことです。

 

では、初詣など混雑していて端を歩けない場合はどうするのか?

神様と正面から対峙するときには、左足から進み右足から退くのが正しい作法なので、真ん中を歩く際には左足から踏み出すといいそう。この作法を「進左退右」といいます。

大きな神社には、長い参道の途中にも複数の鳥居があり、その鳥居をくぐり抜ける毎に神聖さが更に高まってきます。すべての鳥居の前で一礼するのが正しい作法とされています。